鳥取大学医学部附属病院訪問

令和元年8月5日に、「世界最高水準の放射線治療チームの育成と地域及びアジア近隣諸国への展開」プロジェクト 中国四国地方国立大学訪問の一環として鳥取大学医学部附属病院を訪問してきました。本訪問の目的は、鳥取大学における放射線治療の現状と課題、チーム医療に特化した取り組みの情報収集、本プロジェクト及びチーム医療トレーニングプログラムの紹介でした。訪問メンバーは、医師、物理士、技師(2名)、看護師の5名です。 

放射線治療部門の概要は、治療機器としてリニアック2台(ix、TB)、RALS1台、X線シミュレータ装置1台、CTシミュレータ装置1台を有し、1日の外部照射件数は30件程度(小児患者は少ない)、RALSは週1回(月曜日)とのことでした。小線源治療は、前立腺癌に対するシード治療、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対するゾーフィゴの投与などを行っているとのことです。放射線治療部門スタッフは、医師4名、技師7名(うち2名が医学物理士の資格を取得)、看護師2名、事務にて構成されていました。本年7月よりがん放射線療法看護認定看護師が配置されたとのことでした。

 多職種連携では、操作室にホワイトボードを設置し、業務の進捗管理や、医師の院内不在などを共有しておられます。週1回多職種(医師、技師、看護師)ミーティングを行い、患者の治療方針や問題となる情報の共有を図っています。

災害時シミュレーションは年1回、多職種で行っておられ、災害時アクションカードを作成し、各職種が取るべき行動や役割が明確化されていました。災害時に患者を誘導後、室内に人がいないことを「確認しました」の札をドアに貼るなどの取り決めをされていました。

チーム医療やチーム医療トレーニングプログラムに関するディスカッションを行い、以下のような意見が出ました。

〇電子線で照射する場合、診察に技師が立ち会うことがある。

〇治療後の患者のフォローなどを技師が見学できるとよい

〇新人医師は、セットアップや照射業務など技師のシャドーイングを行っている(アイソセンターなどの理解に繋がる)

〇トレーニングプログラムについては、チーム医療に関するスキルのゴールを明確にする必要がある

〇トレーニングプログラム参加前後のスキルアップをどのように評価するか検討する必要がある

全体としての感想ですが、施設規模にあった多職種連携が図られていると感じました。各職種の相互理解を得る試みがなされていること、今後の課題も明確にされておられることから、さらなる連携強化がなされるものと思いました。がん放射線療法看護認定看護師が新たに配置されたとのことで、患者ケアを含め放射線治療看護の益々の発展が予測されますが、リニアック2台体制で2名の看護師という体制は、診察室、リニアック室、治療計画室、小線源治療室、各室での患者への対応、さらには治療説明、スケジューリング、リスクマネージメントまで担うことを考慮すると、十分な人数ではないと感じました。同院の医師を含めスタッフも同様の思いのようでした。

災害時に使用するアクションカード、室内チェック済みの確認シートなど、災害時の対策をなされており、ぜひ参考にしたいと思う取り組みでした。

我々の行っているチームプロジェクトの紹介では、人事交流や当院での物理士研修などに興味を持っていただきました。今後準備を進めてさらなる交流ができるよう取り組んでいきたいと思いました。